軽井沢の追分に土地を買った話
ひたすら更新をサボっていて、実際にはもう半年以上前の話になるのですが、軽井沢追分に土地を購入しました。
今回購入した土地は、軽井沢の中心部から車で15分程、信濃追分駅から徒歩圏内の場所です。 さんざんブログタイトルにも煽り文言を入れておきながら、結局選んだのは軽井沢。(軽井沢もありかなと思った理由は前回記事に書いたので割愛します)
ある日、不動産屋さんから「こんな土地がありますよ」と案内され、その週末に東京から車を走らせて見に行き、その日のうちに購入を決断するというスピード決定でした。 移住予定日まで余裕があり(2022年頃を予定)、本当は2年くらいかけてのんびり土地を探そうと思っていたので、これは自分自身でも想定外。
では、何がそんなに気に入ったのか。
「浅間山が一望できる」単純ですがこれに尽きます。
土地選びの中で、一番の条件でもあり、不動産屋さんから一番難しいとも言われていたのがこちらの条件です。
浅間山がある方向である北側が開けていて、なおかつその方向に新しい建造物が立つ可能性が少ない場所というのは、やはりなかなかありません。 「別に家の中から見えなくても、数歩出れば大抵のところからは見えますよ」とも言われましたし、実際現地にお住まいの方々はもう見飽きるくらいなのかもしれません。
でも僕たちは、あの美しく、雄大な山を家の中からのんびりと眺めることのできる生活に憧れを抱きました。ので、この条件は自分たちとしては譲れない。
まあ幸い時間はあるしのんびり探そうか、と思っていた矢先に紹介されたのが上の写真の土地です。実際には写真で見える右斜め前方あたりが実際の土地になります。元々「150坪でもちょっと大きすぎるかなー」などと妻と話していたにも関わらず、この土地はなんと驚きの600坪。実際に端まで歩いてみたところ、「え、まだあるの?」と感じるレベルの広さです。
しかし、この土地にはいくつかデメリットがあります。
- 正面の道から3〜4mほど落ちたところに実際の土地がある(落ちている場所は垂直に近く、かつ土地自体はフラットなので傾斜地ともまた少し違う)
- 現況山林のため、時間とお金をかけて整備をする必要がある
- 大きな県道が割と近くにあるが、土地の道自体は幅2m程度でやや狭い
- 土地がL字型になっていて、L字の右上側には墓地がある。
なお、道から降りた場所から見た土地の状況はこんな感じ。
もう見事なまでに林です。
それに対するメリットは、こんな感じ。
- 浅間山が非常によく見え、しかも土地が広いため家を建てる場所以外を広く取ることができる。それによって、浅間山方面に建物が立つリスクを排除できる
- 上記のデメリットが主な理由で、この地域の相場よりも大幅に安い価格で手に入れることができる
- 信濃追分駅まで徒歩圏内のため、何らかの事情で車が使えない場合でも軽井沢駅まで移動することができる(まあ実際にはそんな頻繁に乗るとは思いませんが、保険のようなもの)
- 単純に広い土地をどう活用するかワクワクできる
実際のところ、夫婦とも霊感ないのでお墓とかは気にならないし、最大の問題であるところの「道から土地が落ちている」ことに関しては、懇意にさせてもらっている建築家の方が手がける他の現場などで余った土を少しずつ入れさせてもらえれば、数年後には十分使える土地になるんじゃないかとのことで、最終的にはメリットが勝ちました。
ちなみに、「紹介された土地を見に行きたい」と僕が言い出した時、妻はまったくこの土地に魅力を感じなかったそうです。
「またなんかいきなり変なこと言い出した。まあでもとりあえず一度見れば収まるでしょ」くらいのノリでついてきたらいきなり道からドカンと落ちた土地を見せられて「これはない」と思った(ちなみに僕自身も最初そう思いました)ものの、実際に下に降りて全体を眺めてみたら「意外とありかも」という気持ちになり、帰り道で色々と上記のメリット・デメリットを勘案した結果「よし、じゃああそこに決めよう!」ということで購入決定という逆転劇に至ったわけです。
たしかに土を入れたり土地を整備したりといろいろ手はかかるものの、そんなところから家造りを始めていくのも、また得難い経験かなと思ったのです。
僕は家についてあれこれ考えるのがもはや趣味みたいになっているので、最初から整備された土地を購入するよりも考えなきゃいけないこと(というか妄想できること)が増えて、むしろ構想期間のQOLが上がったんじゃないかというくらいです。
しばらくはそのままほったらかしすることになってしまいますが、その期間はいろいろ妄想を膨らまして楽しみたいと思います。
移住者目線で見る地域の特徴 その3:軽井沢町編
さて、軽井沢町編です。
こちらの記事でも少し書きましたが、実は軽井沢は東信地方の中でも最初に移住候補地から外した場所でした。
最大の理由はやはり湿気。
晴天率の高い佐久市と比べて、軽井沢は年間100日は霧が発生するという多湿地帯。
軽井沢3Kのひとつ「霧」ですよ(残りは苔とカラ松)フラダンスショーしてて明日は高木ブー氏が来ます。 pic.twitter.com/cr8PEfsLh5
— とらまる (@toramaru76) 2017年9月17日
むしろその湿度からくる苔むした幻想的な雰囲気が軽井沢の魅力だったりします。
やっぱ軽井沢いいねー
— 史成®︎ (@W_4MtcA) 2015年8月13日
この苔といい葉といい緑が超綺麗! pic.twitter.com/dVPCQPxue8
しかし、やはり定住を目指す身としてはやはりこの湿度の高さは大敵。
最初に僕が思ったのは「洗濯物、乾かなさそう・・・」
まあ実際この地方に暮らすのであれば冬場は外に洗濯物なぞ干せやしないのだが、それにしてもカビとの闘いだったり結露だったり、多湿地域で考えなければいけないことは多い。
そしてもう一つ。軽井沢の土地は超お高い。
たとえばこちらのお土地。売れたりしたら見られなくなるかもしれませんが400坪で1億円。い、いちお・・・?
さすがは全国有数の別荘地。
こちとら土地にかけられる予算はその10分の1にも満たないくらいなのに、はっきりいってこの価格では検討の俎上にも乗りません。
やっぱり軽井沢。僕のような庶民オブ庶民ズには恐れ多いにも程があります。本来は一歩足を踏み入れるのにも二礼二拍手一礼してから入るべきだったのです。
そんなわけで軽井沢はめでたく移住の候補地から外れました。めでたしめでたし。
・・・ところがです。
色々調べているうちに気づいてしまったのです。
軽井沢の西側、追分地方なら上記2点の問題を同時に解消できる。
地図で見てもらえればわかるように、追分地方とは軽井沢町の中でも御代田町に隣接する西端の地域です。
軽井沢町の中でも湿気が少なくカラッとしていて、また価格帯もお隣の御代田町と同程度で非常にお手頃。
まず霧と湿度に関してはこちらのページが非常にわかりやすく解説してくれています。
曰く、軽井沢の霧は碓氷峠の上昇気流で急激に空気が冷やされることによって発生するんだそう。 そのため、霧の影響は西に行くほど少なくなり、追分あたりまでいくとほとんど影響はないんだそうです。
また、こちらのページも大変勉強になる。
佐久市中心部へも20分程度でアクセスでき、軽井沢駅付近が渋滞するときには佐久平スマートICからもそんなに変わらない時間で来ることができる。
なんだ、いいじゃん追分。
ということで、軽井沢町の中でも追分地方であれば十分考えられそう、という結論に至ったのでした。
移住者目線で見る地域の特徴 その2:御代田町編
御代田町のなにが最も気に入ったかというと・・・
雄大な浅間山が一望できる。
いや、もちろん佐久市でも浅間は見えます。
がしかし、物理的に近づいた分、迫力が違います。
また物件としても、佐久市に比べて浅間山が一望できるような土地が多いように感じられました。価格も佐久平駅近郊と比べるとかなりリーズナブル。
佐久平駅近郊では坪単価10万円以上の物件がほとんどですが、御代田では5〜8万円程度の物件が多い印象。
実際に長く住んでいる人にとってはおそらく慣れたもので、事実不動産屋さんを回ったときにも「別に家から見えなくても、ちょっと歩けばどこからでも見えますよ」なんてことも何度か言われましたが、やっぱり都会のコンクリートジャングルに慣れた身としては、自宅にいながらにして雄大な山が一望できるのはなんとも捨てがたい魅力です。
また、佐久市と比べてとてもコンパクトな町ですので、町の中心機能も一箇所に集中していて、暮らしやすそうなのも魅力。 町にはしなの鉄道の御代田駅も通っているので、軽井沢まで電車で15分。 ハイシーズンで車が混んでいそうな時は電車でお出かけ、なんていうのもいいですね。
加えて御代田町のいいところは、佐久市と軽井沢の中間地点にあるということで、どちらへも車で20分程度でアクセスできるということ。
普段の買い物は佐久平で、アウトレットに行ったりたまの贅沢をしたい時なんかは軽井沢へ。そんな暮らし方ができちゃいます。
難点は・・・そうですね、難点として挙げていいかわからないですが、御代田町は積極的に移住促進の政策などは行っていないようです。移住者用の補助金なんかも特になさそう。(2017年10月現在)
というのも、佐久平や軽井沢に移住したい人が、ちょっと外れた(けど安い)場所として結構御代田を狙うんだそうな。(割と僕もこのパターンにはまって御代田を検討しました)
結果、御代田は1980年と比べて人口が1.5倍程度まで増えているのです。
つまり、特に移住促進の施策を打つ必要がないんですね。移住を狙う人にとっては残念ですが・・・。
とはいえ、実際に足を伸ばしてみると、佐久平の発展した地方都市的な雰囲気とはまた違い、高原の町として、とも素敵な雰囲気を出しています。
森の中というイメージが強い軽井沢ともまた違う、「爽やか」という言葉が似合う土地です。
さて次回は、いよいよ最終的に僕らが移住先として決めた(※実はまさに今日、土地購入の契約を交わしました。この話はまた後日)、軽井沢について書きたいと思います。
移住者目線で見る地域の特徴 その1:佐久市編
移住を考えるにあたって、最初に候補として考えたのが佐久市です。
1997年に北陸新幹線の停車駅として佐久平駅ができて以来、この佐久平駅を中心に急速な発展を遂げた地域です。
駅前はイオンモール、カインズホームを始めとして大型店舗が林立し、まさに「地方都市」という感じです。
地図で見てみると、面積としても非常に広い地域をカバーしていることがわかります。
内陸性の気候で、年間降水量は東京が1800mm程度なのに対して、佐久市は1000mmに届かない程度。
冬は-15℃を下回るような日もあるが、雪はさほど多くなく、積もって30cm程度だそうです。
また、移住者の誘致にも非常に積極的で、移住者に対して最大160万円の補助金を出していたり、
新:平成29年度移住促進サポートプラン(移住促進住宅取得費等補助金)について | 佐久市ホームページ
(実際私も利用させていただきましたが)移住者向けに8日間まで無料で移住体験住宅の利用を受け付けていたり、
様々な施策を打ち出しています。
ちなみに、佐久市は市長もなかなかおもしろい方のようで、Twitterで積極的に情報発信も行っています。
【千曲川の水量が増えてきました】
— 佐久市長 柳田清二 (@Seiji_Ya) 2017年10月22日
14:05
野沢橋から上流を見た映像です。
増水の際にはよくある現象ですが、泥の臭いもあります。
十分に警戒しましょう。 pic.twitter.com/fGg16YsMdD
若い人の目線に立って、色々と改革を進めてくれそうな印象です(実際に住んでいないのであくまでイメージ先行で言っていますが)。
私が感じた佐久市の魅力は大きく3つ。
新幹線、高速道路が両方通っている交通の要所で、東京へのアクセスが非常にしやすい
地方医療先進エリアで、病気になった際の安心感がある
全国屈指の晴天率
これといってネガティブな要因も見当たらないのがこの地域です。
無理やりひねり出すなら、佐久平駅周辺はかなり地価が高くなっていて、また住民数が増えていることに伴って小学校の生徒数も非常に多くなってしまっていることくらいでしょうか。(そのため、佐久平浅間小学校が新設されたほど)
とはいえそもそも佐久市は広いので、佐久平駅周辺にこだわらなければいくらでも安い土地もあります。
移住者も多くて受け入れ体制も整っているため、移住者にとってすごく「安心感」のある地域かなと感じています。
私自身は今回佐久市ではなく軽井沢に土地を購入すべく進めていますが、なにか佐久にマイナス要因があったわけではなく、佐久から徐々に探索範囲を広げていったところ、たまたまそっち側に条件のあう土地があっただけです。
地方に移住したい!
はじめましての人、はじめまして。 そうでない方はいないと思いますがこんにちは。
僕は現在35歳、神奈川育ち東京在住、都内のIT企業に勤めるソフトウェアエンジニアです。 父方も母方も皆関東圏の人間で、物心ついた頃から旅行以外で関東の外に出た経験はほぼ皆無の僕ですが、ここ最近ずっと考えていたことがあります。
地方に移住したい
こう考えるに至った経緯などはおいおい書くこともあるかと思いますが、テクノロジーの発展した昨今、そこまで東京での暮らしにこだわる必要はないのではないか、むしろ空気の澄んだ地方に暮らしたほうが満員電車に心すり減らすこともなく、心豊かに暮らしていけるのではないか。 ていうかぶっちゃけソフトウェアエンジニアなら、ある程度リモートで仕事こなしていけるんじゃね?
そんなわけで具体的に移住を人生の選択肢に入れて、動き始めたわけであります。
で、このブログのタイトルなんですが、移住先の候補を選定するに当たって、妻といくつか考えた条件があります。
- 海より山が好き
- 暑いのは嫌い、寒いのは結構平気
- しかし豪雪地帯だと雪かきが大変(妻が新潟の出身なので身にしみているそう)なので、あまり雪は多く降らないところ
- なんだかんだ仕事で東京に出る機会は少なからずあると思うので、東京に出やすい場所
これらの条件を満たす場所として候補に上がったのが長野県の東信地方(上田市・佐久市・軽井沢などを含む一帯)です。
長野は全都道府県の中で4番目の広さを誇る土地で、地域によって気候特性なんかも全然違ったりします。 なので、長野県のなかでもさらに北信・中信・南信・東信と大きく4つの地域に分かれています。
今回その中でも東信地方に目をつけたのは、こんな理由から。
- 北陸新幹線と上信越自動車道が並走するように通っていて、電車でも車でも東京にアクセスしやすい
- 夏涼しく、冬超寒い気候
- が、積雪はそんなに多くない
- 晴天率が非常に高い
- 浅間山・八ヶ岳など、周辺を山々に囲まれていて、雄大な自然が見放題
そんなわけで実際に東信地方の各地に遊びに行ったり自治体が企画してくれている体験移住をしてみたりしたわけなんですが、実は一番最初に候補から外したのが軽井沢でした。 なんかセレブが多くてコミュニティに入っていけなさそう、年中霧ばかりで湿気が凄いらしい、ていうかそもそも高すぎて手が出ないetc...
そんなこんなで佐久市や御代田町を中心に土地探しをしていたわけなんですが・・・ 結果、なぜか軽井沢に移住することになりそうです。 (実はまさに今土地購入の交渉中で、場合によってはまだ変わるかもしれません)
どんな紆余曲折を経て軽井沢を移住先とすることを決断したのか。 土地選びの際にどんなことを意識したのか。
そのあたりを現在進行形で綴っていきたいと思います。
ちなみにちょうどいい土地が見つかったから早めに買おうとしているだけで、実際の移住は2022年頃を目指しています。 ので、気長にお付き合いいただければ幸いです。
ではまた。